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2024年4月17日 更新
当院麻酔科は平成7年に開設され、平成11年から日本麻酔科学会の麻酔指導病院に認定されています。
それぞれの患者さんの手術が安全に行われることを第一に考え、術前評価、術中管理を行っております。
患者さんが安全に手術を受けられるよう、術前に、麻酔前診察を施行し、全身状態、麻酔薬やその他薬剤に対するアレルギー、過去の手術歴や麻酔経験など、詳しく問診しています。
一般的な術前検査の結果から、心臓・肺・肝臓・腎臓などの合併疾患を有する患者さんに対しては、さらに詳しい検査を行い、重症度を再評価することもあります。
術前診察から、各患者さんの状態に適した、安全な麻酔法を選択するとともに、各麻酔法や、麻酔の危険性、合併症などを説明し、少しでも麻酔に対する不安を取り除いて、安心して手術が受けられるよう努めております。
当院手術室は6床で、各部屋に全身麻酔器、呼気ガス・麻酔ガスモニタ、循環動態モニタ、体温モニタを装備し、術中管理のためモニタリングを充実させるとともに、緊急時に十分対応が可能なように、緊急使用薬、緊急使用器機の整備にも努めています。手術中の患者さんの全身状態を維持することを最大の目的とし、麻酔管理を行っています。
全ての患者さんが麻酔についてご理解いただき、安心して麻酔が受けられるように、全身麻酔・硬膜外麻酔・脊椎麻酔に関する説明書を作成し配布しております。
手術前の診察後に麻酔の手順を説明し、患者さんの麻酔に対する不安を軽減し、さらに、麻酔に対する疑問にお答えし、ご理解いただくよう努めております。
平成16年3月の救急救命士法の改正に伴い、救急救命士の医療行為が拡大され、それまで医師にしか許されていなかった、気管挿管(気管にチューブを入れて気道を保つ処置)が救急救命士に許されました。
この法改正は、心肺停止・呼吸停止などの重症傷病者の救命率を上げるために行なわれたものです。
救急車で傷病者の下に最初に駆けつける彼らが、気道(息の通り道)を確実に保てる気管挿管に精通することは、病院に着く前から的確な治療が開始しされることを意味します。
気管挿管は、全身麻酔に必要な処置で、麻酔科がこの技術に精通しているため、救急救命士の教育に麻酔科が協力することになりました。
救急救命士が気管挿管技術に習熟度するために、栃木県では麻酔科が常在する病院で、救急救命士の気管挿管実習を行っております。当院は全身麻酔が必要となる予定手術の患者さんでリスクの少ない方を対象に麻酔科医が説明し、ご承諾いただいた患者さんに行っています。
実習開始より、すでに多くの患者さんにご協力いただき、鹿沼消防署、日光消防署の救急救命士が実習を修了し、気管挿管の許可を得ております。
また、平成30年より、ビデオ喉頭鏡を用いた挿管実習が新たに認められ、救急救命士の実習に組み込まれました。
今後とも、救命救急活動にご理解をいただき、気管挿管ができる救急救命士の育成に協力したいと思います。
当院手術室は麻酔科学会の提唱する「安全な麻酔のためのモニター指針」に従いモニタリングを行い、呼吸循環動態の管理に努めております。